Environmental History

HAELE

[English]

This temporary site will document and present the activities of the Historical Association for Environmentally Local Economy (HAELE) until it has its own site. The HAELE was launched on November 20, 2021. Under the management of ICEDS at Kagawa University, we would like to promote activities that will be supported by many people.

[日本語]

この暫定的なサイトでは、「環境経済史研究会」の活動を独自のサイトを設けるまで、記録し紹介する予定です。「環境経済史研究会」(The Historical Association for Environmentally Local Economy = HAELE の日本語名)は、2021年11月20日に発足致しました。香川大学ICEDS(アイセッズ)の運営の下、多くのみなさまにご賛同頂けるような活動を進めてまいりたいと思います。

(2022年7月7日更新 [Revised on July 7, 2022])

ローカルに環境と経済を考え行動する(=歴史をする)アソシエーションをめざしています。歴史学を通して環境学そして経済学を見直し、両者の対話の可能性を探りたいと思います。

毎年、月日を確定した定例の会合を四回開きたいと思います。2月2日は経済学史・思想史・哲学、5月5日は水文気候学を中心とした環境史、この両者はパネル形式です。そして、8月8日は講演会、11月11日は読書会もしく書評会です。そのような年次的活動を通して、経済の環境史でもなく、環境の経済史でもなく、環境に規定されたローカリティの経済を考え続けて行きたいと考えています。

[We aim to be an association that thinks and acts locally for doing history on the environment and economy. We would like to review environmental studies and economics through the lens of history, and explore the possibility of dialogue between the two disciplines. February 2 is the history of economics, history of ideas, and philosophy, and May 5 is environmental history with a focus on hydroclimatology, both in a panel format. Then, on August 8, there will be a lecture, and on November 11, there will be a reading and book review session. Through these annual activities, we hope to continue to think about an economy of locality defined by the environment, not an environmental history of the economy, nor an economic history of the environment.]


本研究会(アソシエーション)への登録はこちらでお願いします。なお、個々の研究会等へご登録頂いた場合には、自動的に登録させて頂きますので、再登録は不要です。なお、会費等は徴収しておりません。[Please register for this research and action group here. Please note that if you have already registered for an individual workshop, you will be automatically registered and do not need to register again. No membership fee is charged.]


これまでの研究会:次回のHAELE-4は2022年8月8日に開催します。

HAELE-3: 2022年5月5日[Leaflet_HAELE-3]

HAELE-2: 2022年2月2日[Leaflet_HAELE-2]

HAELE-1: 2021年11月20日[Leaflet_HAELE-1_発足会]

HAELE News:

July 16, 2022:

みなさん

高校時代の同級生で、40年ぶりの再会で、この研究会のメンバーにもなってもらっている山田道夫くんが、京都大学数理解析研究所で所長をしていた頃に始めた数理地理モデリング研究会(香川大学の同僚でネットワーク科学の専門家である青木高明さんのサイトです:http://dlpweb.ed.kagawa-u.ac.jp/mathgeomodel/)の成果がようやく発表されました。
HAELEのメンバーである上記の青木さん、東北大学の藤原直哉さんのほか、オックスフォード大学のMark Frickerさんならびに北海道大学の中垣俊之さんの論文です。数日前に、朝日新聞デジタルで、「道はローマに通ず 粘菌の「知性」、イタリアの都市ほぼ再現」という記事で紹介されました。
また、オープンアクセスが可能なscientific reportsの論文( “A model for simulating emergent patterns of cities and roads on real-world landscapes”)ですので、下記のサイトから読むことができます。
なお、先日もHAELEで読書会・書評会を始めるという案内をしましたが、青木さんにお願いして(おそらく時間が合えば、藤原さんも参加して頂けるのではと思います)、読書会で取り上げさせて頂く予定です。期日については、調整後、またお知らせします。
当初予定していた8月21日は未定ですが、次の9月18日は琵琶湖博物館の橋本道範さんにお願いして、橋本さんの「フナズシ」に関する論文を取り上げさせて頂く予定です。同じくHAELEのメンバーである中村博子さんからのメッセージですが、世界農業遺産に琵琶湖が指定されるかどうかの決議がFAOで今週なされるようです(https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20220616/2060010764.html)。
また、HAELE World版では、イタリアの研究仲間も参画してくれていますので、この機会に、青木さんたちの論文を題材に、彼らに加わってもらって、HAELE World版の最初のワークショップを開催しようかとも考えているところです。
では、次回は8月8日の定例会議(https://forms.office.com/r/QzvBp7e4k8)ですので、ご参加のほど、よろしくお願い致します。
村山

July 2, 2022: HAELE_4[Leaflet_HAELE-4]のご案内です。

HAELEのメイリングリストにご登録のみなさま

厳しい暑さが続いております。いかがお過ごしでしょうか。
すでにご案内を差し上げておりますように、来たる8月8日月曜日、午後4時45分から午後7時にかけて、Zoomのオンライン・ハイブリッドで、HAELE-4を開催する予定です。
一橋大学名誉教授の斎藤修先生に「労働市場の歴史的スケッチ: 自由と不自由,エグジットとヴォイス,工業化以前と以後」と題したお話をお伺いする予定です。
仕事と労働に関して、「労働を供給する側、雇用する側」の「意思決定」に注目した新たな視点から、前近代から現在までを通底できる新たな概念装置をエヴィデンスに基づき提供して頂ける予定です。
どうぞ奮ってご参加ください。リーフレットを添付致します。興味をお持ちの研究仲間や学生、一般の方々にもご案内頂ければと思います。その際、HAELE(http://dlpweb.ed.kagawa-u.ac.jp/main/?page_id=462)のご紹介も合わせてお願い致します。
なお、ご出席頂ける場合には、下記にご登録をお願い致します。ZoomのURLを改めてお知らせ致します。
村山

Apr. 14, 2022: HAELE_3[HAELE-3]のご案内です。企画を担当されている寺尾徹さんからのメッセージを転送します。

みなさま: 寺尾@香川大学 です 次回の環境経済史研究会は、5月5日に標記のオンラインセミナーを開催します。 タイトル:「気候学と歴史学との対話・環境史の視点から(仮題)」(環境経済史研究会) 日時:5月5日 13:00-16:00の間の時間帯(実質2時間から2時間半かと思います。) 場所:香川大学からzoomオンラインにて開催(接続先は次のお知らせの際に)

人間社会の発展は気候と不可分だと考えられています。その意味で、人間社会の成り立ちの問題を解明する上では、気候学と歴史学の連関は重要なのですが、扱うデータが全く異なることによる壁は決して低くないと思います。この壁を超える可能性についていくつかの方面から検討してみたい、というのが今回の研究会の主旨です。 1.地道な気象データと歴史資料を用いた気候学的アプローチから見えてくる歴史学との関係は重要です。 2.松本淳さんらによる「モンスーンアジアの風土とフード」のような取り組みも興味深いと思います。 3.中塚武さんの年輪データによる気候復元はかなり違ったアプローチからのインパクトがありました。 4.気候モデルの発展により巨大なデータが生成されていますが、それらはどう使える(使えない)のかも重要です。 今回のセミナーでは、これらの4つのアプローチを繋ぎながら、環境経済史研究会の場で歴史学とのあいだでどういう対話が成り立つかを検討してみたいと考えています。

1については、帝京大学の平野淳平さん、4については私の共同研究者の東京大学の木口雅司さんにお話をいただきます。 2に関して 東京都立大学の松本淳先生にコメントをいただくことにしています。 名城大学の伊藤さんに、3に係る話題をお願いしました。 なにとぞよろしくお願いいたします。

導入に、私のヨーロッパとアジアの気候と人の分布パターンに関する論考をお話します。 企画内容を個別タイトルを含めて確定し、より詳細をまもなく改めてお知らせします。

Mar. 25, 2022: HAELEならびに香川大学ICEDSの企画で、ウクライナ危機という由々しき現状に鑑み、経済史、環境史、現代史を専門とする歴史家が対話するワークショップ[GCS37]を企画しました。3月29日火曜日、日本時間の午後5時から7時です。英語での会合ですが、適宜、日本語での解説を組み込む予定にしています。どうぞ奮ってご参加ください。参加を希望される方はFormsにご登録ください。前日までにZoomのURL等をお送りします。[HAELE and Kagawa University ICEDS have organized a workshop [GCS37] for historians specializing in economic, environmental, and contemporary history to discuss the current crisis in Ukraine. The meeting will be held on March 29, 2022, from 5:00 to 7:00 PM (JST) in English, but Japanese commentary will be incorporated as appropriate. Please join us. Please register on Forms if you wish to attend. We will send you the Zoom URL and other information by the day before the meeting.]

Mar. 4, 2022: みなさま:里海づくり研究会議の理事・事務局長をされている田中丈裕さんから、下記のようなご案内を頂きました。同研究会議は、<アマモ>・牡蠣養殖で広く知られている備前・日生が拠点であり、香川大学ICEDSの重要な活動・連携拠点でもあります。

どうぞ奮ってご参加ください。(村山記)

[Dear all: We have received the following information from Mr. Takehiro Tanaka, Director and Secretary General of the Satoumi Development Research Council. The research group (http://satoumiken.web.fc2.com/ ) is based in Bizen/Hinase, which is widely known for <eelgrass seaweed> and oyster cultivation, and is also an important activity and collaboration center of ICEDS of Kagawa University: It has been a while. I apologize for the delay in getting back to you. In relation to the recent "Oceanic Alteration", the Joint Symposium of Maritime Environment Federation and Nippon Foundation will be held on March 17 this year with the main theme of ocean acidification at https://www.agri.tohoku.ac.jp/enkanren/. On March 26, a symposium focusing on benthic and attached organisms will be held at https://jsfs.jp/event/kankyohozen-2022/. Both symposia are open to online participation, and we hope you will join us. We look forward to your participation. (In Japanese)]


[日本語]

人文社会系から自然科学系の多様な学会を繋ぐ、現場主義的な一つの国際学会として展開し、Living Spaces(生命空間)という学術雑誌の創刊をめざしています。数多ある学会にさらに新たに一つ加える意味がどこにあるのかと思われるかもしれません。企業活動や日常そして個々の場所での多様な活動を含めて現場での実践そしてあらゆる事象に関する歴史資料やデータを重視したいと考えております。もっとも日本語の研究会名称は英語名のニュアンスをうまく伝えられていないかもしれません。ここでの「経済」はかなり広義の意味合いを込めております。

  1. 本研究会は、環境の経済史や経済の環境史をめざすというだけではなく、ローカリティに着目し、あらゆる生命体そして人間を中核として、全方位的なアプローチを探究したいと考えています。
  2. ローカリティというのは、例えば中央に対する地方を意味するものではありません。人々や動植物が生きるその場所を意味しています。あくまでもその場所に拘っています。そしてその場所に関する多岐にわたるデータを重視したいと考えています。
  3. 次は、歴史の捉え方に関するものです。歴史は通常は過去の事象ということになりますが、過去を再現する人間は過去そのものを再現しているわけではなく、今の視点から過去のある側面を照射し表現しているに過ぎません。つまり、本来、生命空間の歴史はあくまでも総体的なものですが、それを総体として把握することは不可能だということです。言い換えれば、過去の生命空間の一部を再現可能にしているのは、常に現在の視点や価値観であるということになります。このような理解の仕方を「歴史をする」と捉えるならば、あらゆる事象の探究は「歴史をする」になると考えることもできると思います。その意味で、この研究会は歴史の専門家のみの集団ではないことを常に期待しています。
  4. 多くの専門分化した学問状況において、多様な学問体系の中に閉じこもった状態を常に打ち破るような試みをしていきたいと思います。とはいえ、例えば、経済学史・経済思想史・経済史・環境史が特定のテーマで連携し合うことも非常に稀であり、当面は、そこが出発点になるかと思います。他方で、幸い斎藤幸平氏のマルクス研究で一つの突破が進みつつあるように思います。その方向をさらに押し進めたいと考えています。その点、趣意書にも書きましたが、「長い19世紀」に焦点を当てて、地球上のあらゆる場所の将来に向けた指針が得られるような会合を持続していけるように努力したいと考えています。[2021年10月27日村山記、10月31日加筆修正]

今後、参加者のみなさんと一緒に考えていくことで、現時点での上記のような叙述は大きく変更されることもあろうかと思います。他方で、すでにHAELEという英語の名称は、当初よりかなりメッセージ性が高いものになっています。上記のローカリティ(その場所)はあくまでも環境つまり人間と自然との相互関係によって規定されており、その場所の「経済」に着目しようとしています。果たしてそこで示される「経済」とは何か。これがこの研究会の根本的なテーマになります。

例えば、水循環を例にあげれば「水収支」も重要な「経済」と認識されることになります。旧来の貨幣を媒介とする「経済」とはかなりの隔たりのある対象を問題にしています。もう一つの例を挙げれば、出生と死亡の収支は人口問題であり、これ自体も「経済」と考えるべきでしょう。もし生命空間における収支決算のある事象を全て「経済」と捉え直すとすれば、我々のローカリティ理解はどのようになるのでしょうか。

かつてマルクスが、『資本制生産に先行する諸形態』で、人間の生そのものがとにかく常に生産の目的(種の再生産)であったというような古代的観念に関する叙述をしていたことを思い起こす方もおられると思います。「長い19世紀」の「経済」の見直しは将来の「経済」の見直しに繋がり脱経済成長の時代を真に展望できるように思っています。

「環境経済史研究会」という表題を英語のニュアンスを含めて、あえてスマートではない表現にするならば、「人間と自然との関係性に規定されるその場所に関するあらゆる物質収支を探究する研究会」となるのではと思います。

[English]

We aim to develop it as a field-based international academic association that connects various academic societies from the humanities and social sciences to the natural sciences, and to launch an academic journal called Living Spaces. You may be wondering what is the point of adding one more academic society to the many existing ones. We would like to emphasize historical materials and data related to field practices and all kinds of events, including corporate activities and various activities in daily life and in individual places. The Japanese name of the research group may not convey the nuance of the English name well. The word “economy” here has a very broad meaning.

  1. This research group will not only aim at the economic history of the environment or the environmental history of the economy, but will also focus on locality and explore a holistic approach with all life forms and humans at the core.
  2. Locality does not mean, for example, the provinces against the center. It means the place where people, plants and animals live. We are concerned only with the place. And we want to focus on a wide range of data about that place.
  3. The next question is about how we perceive history. History is usually defined as the events of the past, but people who recreate the past are not recreating the past itself, but are merely representing and illuminating certain aspects of the past from the perspective of the present. In other words, the history of living spaces is essentially holistic, but it is impossible to grasp it as a whole. In other words, it is always the perspectives and values of the present that make it possible to reproduce parts of the past living spaces. If we take this way of understanding as “doing history,” then I think we can consider that the exploration of any phenomenon can be “doing history.” In this sense, I always hope that this research and action group will not be a group of only historians.
  4. In many specialized academic situations, I would like to make an attempt to constantly break through the confinement of various academic systems. However, for example, it is very rare for the history of economics, the history of economic thought, the history of economies, and the history of the environment to collaborate on a specific theme, so for the time being, I think that will be our starting point. On the other hand, fortunately, we seem to be making a breakthrough with Kohei Saito’s research on Marx. I would like to push in that direction further. In this regard, as I mentioned in the founding message, I would like to focus on the “long nineteenth century” and strive to sustain meetings that will provide guidance for the future of all places on earth.
[Revised by Murayama on October 27, 2021, added on October 31, and translated on November 14]
The above narrative may change significantly in the future as we work together with the participants. On the other hand, the English name HAELE has already become much more message-oriented. The locality is defined by the interrelationship between the environment, e.g. human beings and nature, and we are trying to focus on the “economy” of the place. What is the “economy” of the place? This is the fundamental theme of this association.
For example, if we take the water cycle as an example, the “water balance” will be recognized as an important “economy. We are dealing with a subject that is quite different from the old “economy” mediated by money. To cite another example, the balance of payments between births and deaths is a population problem, which should also be considered an “economy” in itself. If we were to reconsider all events with balance sheets in living spaces as “economy,” what would our understanding of locality look like?
Some of you may recall that Marx once wrote in “Pre-Capitalist Economic Formations” about the ancient notion that human life itself was always the object of production (reproduction of the species) anyway. I believe that a review of the “economy” of the “long nineteenth century” will lead to a review of the “economy” of the future and allow us to truly see an era of de-economic growth.
If I were to use the title “Kankyo Keizai-shi Kenkyu-kai [Environmental Economic History Association]” in a less smart way, including the nuances of English, I think it would be “a study and action group that explores all material balances related to a locality as defined by the relationship between humans and nature.

Aims of the HAELE [環境経済史研究会のねらい]

The Historical Association for Environmentally Local Economy (HAELE) was launched on November 20, 2021. The Association will publish an original Journal: Living Spaces. To read more about the motivation behind HAELE, please click here [HAELE_Founding_E].

2021年11月20日、「環境経済史研究会」(HAELE)が発足しました。この協会では、オリジナルのJournal “Living Spaces” を発行する予定です。HAELE発足の動機につきましてはこちらをクリックしてください[HAELE_Founding_J] (日本語)。

PP1

[図1: 環境・学術・経済の場におけるHAELEの立ち位置とねらい]

There are two combinations of axes embedded in this diagram. The first is a combination of the vertical axis of social technologies and science & technology, and the horizontal axis of the living spaces of the place (local living spaces) and the multidimensional regional representation by humans. The other is a combination of diagonal axes: the first axis of nature A of water and air and the nature B of land and resources, and the second axis of natural sciences and humanities and social sciences. People and all living things live at the intersection of these axes, and this practical study group has its place there. The local living spaces are the material world, and the multidimensional regional representation is the cognitive world of human beings.

[Japanese] この図には二つの軸の組み合わせが二つ組み込まれています。ひとつは社会技術と科学技術の縦軸そしてその場所の生命空間と人間による多次元地域表象という横軸の組み合わせ、そしてもう一つが斜めの軸の組み合わせです。水と大気の自然Aと土地と資源の自然Bの軸、そして、自然科学と人文社会科学の軸があります。人びとそしてあらゆる生命体はこの交叉点に住まい、そして、今回の実践的研究会もそこに居場所を持っていると考えます。さらに説明を加えますと、ローカルな生命空間は物質世界であり、多次元地域表象はまさに人間の認知世界ということになる構図です。

The era of workers marginalized by capital is not over. The situation is even more serious than in the 19th century when Marx and Engels lived. Climate change is becoming more and more apparent, and extreme weather events are becoming an everyday occurrence. If we divide nature into “air and water” and “land and resources” (see Figure 1/2), it is easier to understand the current crisis. The former, water and air, which should be considered as public goods, are creating a critical situation for land and resources, while the latter, land and resources, because of the enforcement of property rights, are increasingly thrown into the movement of giant capital, which continues to reproduce the climate crisis through the emission of greenhouse gases. In other words, if we think of the problem of workers’ alienation as the alienation of human beings from nature in this sense, it has become an ecological crisis almost common to all human beings.

The global economy, which is self-propagating, has made it almost impossible for humanity to produce in precise response to nature, and we continue to look to the fiscal stimulus generated by the collective selfishness of nationalism, which divides the global environment. A major part of the tax money taken from the people is spent on economic growth. However, the global economy, driven by the old-fashioned belief that economic growth enriches the people, will not be able to stop the tragedy of global warming. This is because it was the global economy of the Industrial Revolution that ended the era of the organic economy, which was unstable and at the mercy of nature, and created the geological age of the Anthropocene, which devours the fossil and mineral resources of the earth.

The Industrial Revolution was a regional economic movement that started in Britain, but its essence was the accelerated utilization of the earth’s resources. It was a movement that quickly spread to neighboring countries and, in the long run, to the entire globe. As a result, humans, who can only sustain life through the medium of money, have been forced to live through an era of climate change that has destabilized the life-supporting roots of water and air. The nature in the lower right of the above diagram is land and resources, but the global economy began to erode the nature of water and air in the upper left, and humanity finally entered an era of population decline that would lead to its own extinction.

The future of the human species depends on how we rethink the capital-led economic growth (Field III) in the lower right. I believe that the era of de-economic growth calls for a revolutionary shift that is linked to other factors of economic growth, such as technological innovation and division of labor. It is safe to say that we have entered an era in which we must move away from the lower right field of capital and address not only the population of the human species, but also the populations of all life forms. Esther Boslup’s argument that population pressure has given rise to agricultural innovation needs to be extended far beyond the ecological. The division of labor (Field IV), in line with Adam Smith, and technological innovation (Field II), as discussed by Joseph Schumpeter, are also considered as factors that generate economic growth. I believe that rethinking the ecological population based on specific sites (local living spaces) will lead to a new review of the “economy.”

[Japanese]

  • 資本により疎外される労働者の時代は終わってはいません。さらに、マルクスやエンゲルスが生きた19世紀よりも深刻な事態となっています。気候変動が顕在化し、極端気象が日常化しているのが現在です。もし自然を「大気と水」そして「土地と資源」とに大きく分けるとすると(Figure 1/2参照)現在の危機を理解しやすいでしょう。本来、公共財と考えるべき前者、水と大気は土地と資源の危機的状況を生み出しています。逆に、土地と資源は所有権が行使されるが故に、ますます巨大資本の運動の中に投げ込まれ、その危機的状況を温暖化ガスの排出を通して、再生産し続けています。つまり、労働者の疎外問題を、そのような意味での人間の自然からの疎外と考えるとすると、ほぼ人類共通の生態学的危機となっているからです。
  • 自己増殖するグローバル経済により自然との緻密な応答による生産がほぼ出来なくなった人類は、国家主義という地球環境を分断する集団的利己主義が生み出す財政出動に期待し続けています。国民から吸い取られた税金の主要部分が経済成長に費やされています。しかし、経済成長が国民を潤すという旧態然とした国家が動かし続けるのがグローバル経済であり、地球温暖化という悲劇を食い止めることをその経済ができるはずはありません。というのも、自然に翻弄され不安定な有機経済の時代を終わらせたのは、化石資源そして地球上の鉱物資源を食い潰す人新世という地質年代を生み出した「産業革命」というグローバル経済であったからです。
  • 産業革命は英国を出発点とした地域的な経済運動でしたが、その本質は地球資源の加速度的活用にあったからです。瞬く間に近隣諸国に、そして長期的にも地球全体に波及する運動でした。結果として、貨幣を媒体としてしか生命を維持できなくなった人類は、水と大気という生命維持の根源を不安定化させる気候変動時代を生き抜かざるを得なくなりました。上図の右下の自然は土地と資源ですが、ここで動いていたグローバル経済は左上の水と大気という自然を侵蝕し始め、遂に人類は自らを消滅させる人口減少時代に突入することになったのです。
  • 右下の資本主導の経済成長(Field III)をいかに見直すかに人類の将来がかかっています。脱経済成長の時代は技術革新や分業という他の経済成長の要因とも連動する革命的な大転換が求められていると考えます。右下の資本というフィールドから離脱し、人間という種の数(人口)だけではなく、あらゆる生命体の個体群の数(Population)を問題にすべき時代になったと考えて良いでしょう。人口圧が農業革新を生んだというエスター・ボズラップの議論を生態学的にはるかに拡大させる必要があります。経済成長を生み出す要因として考えられるアダム・スミスに倣った分業(Field IV)、ヨーゼフ・シュンペーターが議論した技術革新(Field II)についても、ecological populationを具体的な現場(Local Living Spaces)を軸に考え直すことが、新たな「経済」の見直しに繋がると考えます。

Let me pick up a concrete example of the previous schematic diagram. The setting of the four fields is based on the four factors of early modern economic growth: capital, market, population size of humans, and technological progress and innovation, as summarized by Osamu Saito. Originally, Joel Mokyr examined the view that there can be four sources of productivity growth (Osamu Saito, Hikaku Keizai Hatten-ron[Comparative Study of Economic Development: A Historical Approach], Iwanami Shoten, 2008, pp. 52-54). It lays out and draws on “Two kinds of pre-modern economic growth: Japan in a comparative perspective” (Socio-Economic History, 70-5, 2004, pp. 519-39, later reprinted in Osamu Saito, Shin-pan Hikakushi no Enkin-hou [New Edition: Perspectives on Comparative History], Shoseki Kobou Hayayama, 2015, pp. 151-191), which preceded this discussion and was published in 2005.

PP2

[図2: 前近代ユーラシアにおける二つの経済成長:「水と大気」の自然Aと「土地と資源」の自然B]

In this diagram (Figure 2) I will describe the newly arranged four sources of economic growth to examine the issue of climate change. These are populations (Field I), technological innovation (Field II), capital (Field III), and division of labor (Field IV). Considering that the market is a universal entity in Fernand Braudel’s argument, which Saito also addresses, this conceptual diagram places it in the central part as commercialization. However, it also incorporates general production, reproduction of species, and financing.

In setting up this framework, the conceptual diagram is color-coded based on Saito’s discussion of pre-modern economic growth. The light green area represents Japanese pre-modern economic growth, in which the core growth factor is population of all species. In contrast, the core growth factor in Europe is capital, and the critical difference between the two is that capital has a profound effect on the population factor, and in particular, can be a source of influence on human behavior patterns.

The pursuit of de-economic growth means that all four of these sources need to be checked. In particular, it is clear that capital is the most important factor to consider. The argument of Jan de Vries, who universalized Hayami’s “industrious revolution” theory (see my co-authored article), was the very one that revealed the capital-driven European pattern, and in particular, the point about the increasing willingness of women in households to work in the marketplace was a reflection of the capital-induced economic growth unique to Europe.

However, there is one thing that this conceptual diagram does not sufficiently depict. This is the role of the state in financing. I believe this is the most crucial issue in examining the “long nineteenth century” as I wrote in my prospectus [HAELE_Founding_E]. It is a point that joins the “administrative revolution” theory that John Hicks once discussed, and unless we address the role of the state at the same time as we focus on the issue of capital, it will be difficult to see the prospects for de-economic growth. However, many of the arguments are still inadequate, and there are many unresolved areas.

In particular, there are many issues that remain unclear, such as the national sphere, the international relations associated with it, the sphere of administrative control even if limited to the domestic sphere, spatial issues in the distribution of all kinds of goods and the flow of people, and the problem of the place where all plants and animals live.

PP3

[図3: 分極化軸とコモン化軸:自然/科学/技術と価値]

A further problem here is that the pre-modern Japanese pattern is a vanishing pattern, that is, the pattern dependent on water and air has disappeared and the European pattern dependent on land and resources has taken over the world. On the other hand, the global environmental problem is the problem of water and air, and the question is whether the capital pattern or capitalism is capable of solving it. What is possible from the perspective of the populations of biological species? And what new directions can technological innovation and the division of labor take us?

What needs to be considered further is the increasing polarization, not only in the division between Nature A and Nature B, but also in all domains, such as natural sciences versus humanities and social sciences, and science and technology versus social technology. Although there are various proposals for the fusion of academic knowledge, this division is also related to the continued autonomy of each domain, and there is never an easy solution. The only connection that can be found, however, is the relationship between the local living spaces on the horizon and multidimensional regional representations, as shown in Figure 3. The former is a domain that can be scientifically clarified, while the latter belongs to the human cognitive domain. The axis of this horizon is different from the other axes, and polarization may not necessarily be in progress. For example, when discussing cultural landscapes, both of them suggest various possibilities of combination. This is what we call here the axis of commoning. I think there is a ray of hope for the future here. This is where the idea of locality comes into play.

I hope that the newly established study group will be able to deepen the discussion on this point, and clarify the way to concretely realize de-economic growth.

[Japanese]

  • 先の模式図の具体例を挙げてみましょう。四つのフィールドを設定しているますが、その設定は、経済史家である斎藤修によって整理された近世経済成長の四つの要因に基づいています。もともとジョエル・モキアが生産性の向上には四つの源泉、つまり、資本、市場、人口規模そして技術進歩と革新がありうるという見解を検討したものです(斎藤修『比較経済発展論』岩波書店、2008年、52-54頁)。この議論に先行する形で2004年に公刊された「前近代経済成長の2つのパターン:徳川日本の比較史的位置」(『社会経済史学』70-5, 2004年、519-39頁、後に、斎藤修『新版 比較史の遠近法』書籍工房早山、2015年、151-191頁に再録されています。)を敷衍して描いたものです。
  • この概念図では、気候変動問題を考慮するために、経済成長の四つの源泉を新しくアレンジして、個体群の数(Field I)、技術革新(Field II)、資本(Field III)そして分業(Field IV)を挙げています。市場は斎藤も取り上げているブローデルの議論における普遍的存在であることを考慮して、この概念図では中央部分に商業化として位置付けています。しかしそこには、一般的な生産と種の再生産そして資金調達も組み込んでいます。
  • この枠組みの設定において、同じく斎藤の前近代経済成長の議論に基づいて、色分けをしたものがこの概念図です。薄緑色の部分は日本型の前近代経済成長を示しており、中核の成長要因は人口もしくは個体群の数です。それに対して、ヨーロッパの成長要因の中核になるのは資本であり、両者の決定的な違いは、個体群の数にまで深く影響を及ぼし、とりわけ人間の行動パターンを左右する源泉にもなりうるということです。
  • 脱経済成長を追求するということは、この四つの源泉のすべてをチェックする必要があるということです。とりわけ、資本がその最も重要な検討要因であることは明確です。速水融の「勤勉革命論」(筆者の共著論文参照)を普遍化したJan de Vriesの議論は、まさに資本主導のヨーロッパパターンを解き明かしていたものであり、とりわけ、世帯内での女性による市場における勤労意欲の増大に関する指摘はヨーロッパ特有の資本誘導型経済成長の反映であったことがわかります。
  • しかし、この概念図では十分に描けていないことがあります。それは資金調達における国家の役割です。この議論が趣意書[HAELE_Founding_J]に書いた「長い19世紀」を検討する上での最も重要な論点であると考えます。ジョン・ヒックスがかつて議論した「行政革命」論と接合する論点であり、資本を問題にする時、同時に国家の役割を問題にしない限り、脱経済成長の見通しをつけることは難しいと思います。多くの議論がまだ不十分であり、未解決の領域も多いからです。
  • とりわけ、国家領域、それに伴う国際関係さらに国内に限ったとしても行政による管理領域、あらゆう物資の流通と人流における空間問題そしてすべての動植物が住まう場所の問題は、まだまだ明らかにされていないことが多いと思います。
  • ここでのさらなる問題は、前近代の日本パターンは消えたパターンであり、それは水と大気に依存するパターンが消え、土地と資源に依存するヨーロッパパターンが世界を制したということです。他方で、地球環境問題は水と大気の問題です。その解決を資本主導の社会形態あるいは資本主義が可能かどうかが問われているのが現実ではないかと考えます。生物種の個体群とその数から考える視点は何を可能とするのでしょうか。そして、技術革新や分業はどのような新たな方向性を見出すことができるのでしょうか。
  • さらに考える必要のあることは、自然Aと自然Bとの分断だけでなく、自然科学対人文社会科学、科学技術対社会技術など全ての領域において、分極化が進んでいることです。学知融合はさまざまに提案されているものの、この分断はそれぞれの領域での自律性の継続とも関連し、決して簡単な解決方法はありません。しかし唯一、繋がりを見出すことができるのは、図3で言えば、水平線にあるローカルな生命空間と多次元地域表象との関係です。前者は科学的な解明が可能な領域ですが、後者は人間の認知領域に属する領域です。この水平線の軸は他の軸とは異なり、分極化は必ずしも進行していないかもしれません。例えば、文化的景観を議論する場合、その両者はさまざまな結合可能性を示唆しています。これをここではコモン化の軸と呼んで起きます。ここに将来への一縷の望みがあるように思います。それは、ローカリティの発想が活きる場所だからです。
  • 新たに創設する本研究会において、今後、この点に関する議論が深まることを期待したいと思います。そして、脱経済成長を具体的に実現できる道を明らかにできればと考えています。
[Revised on January 28, 2022. Satoshi Murayama]
[2022年1月28日修正、村山聡]
Archives:
2021年11月20日土曜日(午後2時〜6時)の発足会・合評会
趣意書はこちらから[HAELE_Founding_J](日本語)[HAELE_Founding_E](英語) ダウンロードしてください。また、発足会・合評会のリーフレットはこちらから[HAELE_J]ダウンロードしてください。
This opening meeting is in Japanese only. We apologize for the inconvenience. I would like to set up another opportunity for a meeting in English.[今回の会合は日本語のみで行います。英語での会合はまたの機会を予定しております。]
日程等は下記の通りです。
2021/11/20, Saturday, 14:00-18:00:
オンライン (Zoom)・ハイブリッド(東京会場:株式会社タナチョー本社、および、高松会場:香川大学)
趣旨:田中廣『社会関係=分業論の視座:いま再びマルクス&ウェーバーの智慧に学ぶ』(中央公論事業出版、2021年)について、著者自身のご報告を受け、合評会を開催します。その合評会を契機として、The Historical Association for Environmentally Local Economy (HAELE)(環境経済史研究会)の発足会を同時に開催する予定です。
合評会
趣旨説明 (14:00-14:15)
司会:慶應義塾常任理事・池田幸弘
基調報告 (14:15-15:00)及びディスカッション (15:05-16:15)
司会:慶應義塾常任理事・池田幸弘
基調報告:田中廣(タナチョー・代表取締役社長)
Part 1: 経済学史・マルクス:
  • 東京大学大学院経済学科准教授・野原慎司
  • 神奈川大学副学長・的場昭弘
Part 2: 経済史・ウェーバー・環境史:
  • 神戸大学経済学部教授・重富公生
  • 香川大学名誉教授・村山 聡
HAELE発足会 (16:30-17:00);自由討議 (17:00-18:00)
Feb. 22, 2022: Dear all at the HAELE World, We will be holding a Zoom online-hybrid workshop [GCS36&ViP6] on Thursday 24th, 2022, from 1pm to 5pm JST. If you are interested and can make it, please contact Satoshi Murayama if you would like Zoom instructions. Feb. 3, 2022: みなさん、ご参加頂き、ありがとうございました。特に、報告者の瀧澤さんには、多様な専門家集団を前に簡潔かつ明確な資本主義・市場論の整理と資本主義変革への提案をありがとうございました。短い時間の設定でもあり、残された論点も多くあったと思います。今後の研究会でフォローしたいと思います。なお、次回のHAELE-3は、5月5日木曜日を予定しております。その後、8月8日そして11月11日の開催を今年は予定しております。詳細はまた改めてご連絡致します。 Jan. 12, 2022: HAELE-2 [Leaflet_Feb2, 2022] は、2022年2月2日水曜日、午後4時から6時に、Zoomのオンライン・ハイブリッドで開催致します。ドイツの大学等で一般的な c.t. (cum tempore) を採用しております。実際の会合は午後4時15分から午後5時45分を予定しております。午後4時頃から接続準備をして頂ければと思います。なお、香川大学ではICEDSルームにおいて、対面式としております。他に対面式を併用される場合もコロナ禍の現状を踏まえた上で、どうぞご自由にお願い致します。Zoomの案内等は別途お知らせします。初めての方は、上記の登録フォームにご登録頂ければ、メイルでお知らせ致します。 今回の会合では、瀧澤弘和さんから「資本主義をどう変えるか:制度論的な視点から」(仮題)と題したご報告を受けて、今後のHAELEのあり方を考えていきたいと思います。 [HAELE-2 [Leaflet_Feb2, 2022] will be held on Wednesday, 2 February 2022, from 4:00 to 6:00 p.m. in a Zoom online hybrid in Japanese. We will be using the c.t. (cum tempore) system, which is common in German universities. The actual meeting will take place between 4.15pm and 5.45pm. Please be ready to connect from around 4pm. Please note that the meeting will be held face-to-face in the ICEDS room at Kagawa University. Information on Zoom will be provided separately. If you are a newcomer, please register on the registration form above and we will inform you by email. In this meeting, we would like to think about the future of HAELE after Hirokazu Takizawa’s speech titled “How to change capitalism: from an institutional perspective” (tentative title).] Nov. 22, 2021: 環境経済史研究会(アソシエーション)への登録フォームを公開しました。[The registration form for the HAELE is now available.]
Funding:
This association was supported by JSPS KAKENHI Grant Number JP 20H01523: Peasant Economy in Monsoon Asia: A Regional Environmental History of Japanese Industrialization, and by JSPS (Japan)/MESS (Slovenia) Bilateral Program: Sustainable living spaces: a comparative approach to modernization in rural Japan and Slovenia during the Anthropocene (1800-present); We are currently preparing to apply for Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A): Doing history in a local and environmental context: to realize regional representation based on multidimensional archival coupling in administrative units. [JSPA 科研費 20H01523およびスロベニアとの二国間交流事業その他香川大学の支援を受けております。また現在、学術変革領域研究(A)に応募準備をしております。]
[2022年1月24日更新] [Revised on January 24, 2022]