環境史研究会第3回ワークショップのご案内
木曜日, 9 月 16th, 2010 Posted in 研究会等案内 | No Comments »第3回環境史研究会ワークショップのお知らせです。 今回は環境政策史に関する発表を喜多川さんが、1930年代の中国における植林・緑化・造林政策に関する発表を村松さんがなさいます。 奮ってご参加ください。 【日 時】 2010年10月2日(土)14時から 【場 所】 東京大学農学部1号館 農経会議室 *前回(第2回ワークショップ)と同じ場所です 【発表題目と概要】 「環境政策史研究の構想と意義」 喜多川 進 (山梨大学) 近年、環境問題への関心が高まるなか、様々な学問分野で環境政策の内容や運用の実際をめぐる研究がなされるようになったが、環境政策がどのような過程を経て成立するに至ったかについての研究は、十分になされていないのが現状である。すなわち、環境政策の誕生背景、政策過程、その後の変遷を、政治的、社会的、経済的文脈のなかに位置付けて歴史的に研究することは、特にわが国ではほとんど注目されてこなかった。そこで、本報告では環境政策の展開を歴史的に考察する「環境政策史(Environmental Policy History)」という新しい研究分野の可能性と意義を議論してみたい。 本報告は2部構成である。第一部は方法論編であり、環境政策史の概要、方法、学問的位置付けを議論する。その際、環境史、環境経済史等の環境問題に関する歴史研究と環境政策史研究の比較もおこなう。第二部では環境政策史のケース・スタディとして、ドイツの廃棄物減量化政策をとりあげる。ケース・スタディを踏まえて、環境政策史の意義と課題を考察したい。 「近代陝西省における植林・緑化政策」 村松 弘一 (学習院大学東洋文化研究所) 本報告では、1930年代の南京国民政府期の陝西省の植林・緑化・造林に関する政策に焦点を絞り、全国経済委員会・省政府・西京籌備委員会という行政レベルの異なる機関の計画・実施状況を比較する。それは黄土高原の地域ごとの生態環境保全の方法について考える材料を歴史資料のなかからよみとる試みでもある。 ※ 報告者は中国古代の環境史を研究しているが、近年、環境法の執行とガバナンスにかかわる研究会に所属している。今回は、その研究会での報告を基礎に森林史・林学の研究者が多く集まる本会にてご意見をお聞きしたいと考え、本テーマを報告することとしました。
環境史研究会第2回ワークショップのご案内
木曜日, 7 月 15th, 2010 Posted in 研究会等案内 | No Comments »すでに連絡を差し上げましたが、報告のタイトル、場所等が決まりましたので、改めて連絡させて頂きます。なお、この研究会は会員による研究会ですので、参加を希望される方は、村山または竹本までご連絡ください。 【日時】7月24日(土)14時〜 【場所】東京大学農学部1号館3階「農経会議室」 【報告】「中国環境史研究の現状と課題」原宗子(流通経済大学) 「森林景観の環境史 —明治・大正期の長野県諏訪地域を中心に—」若林洋平(上智大学) 原先生からは要旨もいただいております。 *********** この研究会の第1回ワークショップに参加させて戴き、参加者の多くが、日本史研究者であられることを改めて承知しました。 中国環境史は、日本で研究しておいでの方はまだ少数ですが、中国では、かなり広がりのある研究分野です。尤もその多くは、90年代頃までの<農業史>関係組織が、発展的に改革されたもののようですが、若い方たちは無論、新たな意欲と関心のもとに意欲的な論考を発表しておいでで、様々な研究の広がりが見られます。私自身も70年代に、やはり<農業史>のつもりで書き始めた愚考を、自分では、当初<世界史>に対する<地球史>という用語を使おうか、と思っていたのですが、それでは自然科学分野の地球科学との差異が不明確であることなどに気付き、あれこれ模索するうち、やがて結果的に、日本ではまだ珍しかった<環境史>に位置付けられた、という経緯の下で、勉強を進めています。 このような点を少々お話させていただき、特に、中国環境史の史料のあり方、扱う上での問題点、自然科学分野との連携のあり方、今日の中国環境問題との関係性如何、といった諸点について、内容的には、土壌・森林・気候変動・農業生産や水利史との関係、等々を中心に雑駁ながらご紹介するつもりです。 御参加戴き、ご批正賜れば、幸甚です。 ***********
環境史研究会第2回ワークショップのご案内
月曜日, 6 月 14th, 2010 Posted in 研究会等案内 | No Comments »以下の日程で環境史研究会第2回ワークショップを開催する予定です。このワークショップは環境史研究会のメイリングリストに参加して頂いている会員の方々に限定したものです。環境史研究会に参加を希望される方は、村山、竹本ほか発起人に連絡して頂けますようにお願い致します。なお、今後ワークショップは2ヶ月に1回開催する予定にしています。 現在のところ、日程と報告者が決まっております。詳しい内容はまたお知らせします。 第2回ワークショップ 日程:7月24日(土)@東京大学 報告者: 原宗子(流通経済大学) 若林洋平(上智大学)
環境史研究会第1回ワークショップ
月曜日, 6 月 14th, 2010 Posted in 研究会等案内 | No Comments »日程:5月15日(土)1400〜1800 場所:東大農学部1号館(部屋未定) 発表内容:村山聡「近世天草漁師町・湊町崎津の比較史料学的環境史研究」(仮) 戸石七生・竹本太郎「森林史へのアプローチ」(仮) *討論者 藤原辰史
グローバル社会の地域研究を考える
水曜日, 1 月 27th, 2010 Posted in 研究会等案内 | No Comments »香川大学インターナショナルオフィスでは、2010年2月9日から16日にかけて、オフィスウィークと称して、様々なイベントを開催します。その中で環境史にも関連するフォーラムの紹介をします。2月15日月曜日の午後2時から6時にかけて、仏教圏、ヒンドゥ教圏、イスラーム教圏の比較研究そして特に開発途上国を襲っている急激なグローバル化現象において、めまぐるしい変遷が見られるブータン、ネパール、バングラデシュの現状を理解し、そして、イスラーム歴史社会研究、人類学研究、開発学研究、流通地理学研究など様々な研究視角から、どのような地域研究が今後可能なのかを議論します。このフォーラムのプログラムは以下の通りです。 日時:2010年2月15日 午後2時から6時 場所:香川大学教育学部第3会議室 報告: ブータン開発学研究の立場から 大阪大学 上田晶子 ネパール人類学研究の立場から 立命館大学 渡辺和之 シリア歴史学研究の立場から 東北大学 大河原知樹 ディスカッサント: 流通地理学の立場から 宮城学院女子大学 土屋 純 バングラデシュでの地域活動の立場から グラム・バングラ S. I. カーン
生物学が語る「自然」のポリティックス
火曜日, 10 月 20th, 2009 Posted in 研究会等案内 | No Comments »日本科学史学会生物学史分科会シンポジウム 生物学が語る「自然」のポリティックス Politics of Biological Discourses on "Nature" [趣旨] この10年ほどで自然保護のあり方は大きく変わりました。かつて自然保護といえば、人の手が入っていない自然を開発から守ることでした。でも近年では、文化・社会と深く結びついた「自然」が保護の対象とされつつあります。たとえば現在、日本政府は2010年に名古屋で開催されるCOP10に向けて「SATOYAMAイニシアティブ」をすすめています。そこでは生物学者たちが積極的に発言し、日本文化がつくってきたとされる「里山」をめぐる議論に大きな影響を与えてきました。しかし歴史的にみれば、このような生物学者による文化・社会と結びついた「自然」の語りは、決して新しいものではありません。では、過去の生物学者の 「自然」をめぐる語りは、同時代においてどのような政治的な役割をもっていたのでしょうか。このシンポジウムでは、20世紀前半の生物学者・農学者の「自然」をめぐる語りを検討し、生物学史が現在の自然保護に示唆するところを探りたいと思います。今回のシンポジウムでは科学史以外の分野で「自然」をめぐる歴史研究をすすめている演者の方をお招きし、コメントも歴史的視点と環境倫理の観点の双方からお願いしています。 日時:2009年12月13日(日)午後2時~5時 会場:東京大学先端研駒場リサーチキャンパス4号館2階講堂 (アクセス:http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/) [プログラム] ナチス農学の自然観――コンラート・マイヤーを手がかりに 藤原辰史(東京大学・農業史) 日本植民地主義と自然-アジア・太平洋戦争期の緑化運動- 中島弘二(金沢大学・地理学) 狩猟と動物学の近代――1930年代日本における「伝統」の創造 瀬戸口明久(大阪市立大学・科学史) コメント 坂野徹(日本大学) 篠田真理子(恵泉女学園大学) 鬼頭秀一(東京大学) (司会:篠田真理子・瀬戸口明久)
学校林をめぐるむら(共同関係)の軌跡(竹本太郎)
日曜日, 10 月 18th, 2009 Posted in 研究会等案内 | No Comments »日本科学史学会生物学史分科会の月例会が下記の日程で開催されます。日本科学史学会生物学史分科会のホームページからの転載です。(http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft12153/hisbio/frame_j.htm) 日時:10月24日(土) 午後3:00~5:30 場所:東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。) http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html 発表者:竹本太郎氏(東京大学大学院 農学生命科学研究科 特任助教) 演題:学校林をめぐるむら(共同関係)の軌跡:「公共林野」と歴史的アプローチに触れて 内容紹介: 過疎による小学校の統廃合、森林の荒廃など、農山村における喫緊の課題は数多くあります。そのような現状のなかで、「むら(共同関係)」が守り続けてきた 「学校林」という特殊な森林のことはほとんど知られていません。 明治期に近代学校制度を整える際に「むら(共同関係)」の林野を小学校の校舎建築や財政補助のために特別に確保した森林が「学校林」です。その後、「学校林」は、戦時期には愛国心昂揚のための造林地として国家に利用され、戦後期には国土復興のための緑化運動の中心になっていきます。 本発表では、「学校林」をめぐる「むら(共同関係)」の軌跡を追いつつ、(1)「地域住民の公共の福祉」に利用される森林「公共林野」の意味、(2)林政 学における歴史的アプローチの意味、について議論できたらと思います。 参考:竹本太郎『学校林の研究』(農山漁村文化協会、2009年)ほか。(http://www.ruralnet.or.jp/n_lib/book/wadai/2009/03wadai0908-1.html ;本書のもとになった論文がダウンロード可能だそうです。)